住民参加型建設で水源地域振興ー手取川ダムカレー竣工式が執り行われましたー
2022年4月より構想してきた手取川ダムカレーが完成しました!そもそもダムカレーとは,水をせき止めるダムをモチーフに,ライスをダムに見立て,カレーのルーをせき止めるものです.全国に190以上あり,ダム周辺の水源地域振興に一役買っています.これまで手取川ダムカレーは都市部では作られているお店が一軒ありましたが,手取川ダムに近い水源地域では初めての取り組みです.
北陸サテライトのある白峰地域は手取川ダムの水源地域で,石川県の重要な水がめとしての役割を果たしてきました.白山の水は,能登半島まで運ばれます.北陸サテライトはその立地から,人口減少や自然資本を活用した地域活性化など「水源地域振興」の研究・教育・地域貢献にこれまで取り組んできました.
今回その一環として,北陸サテライト,雪だるまカフェ,トラベルフォトライター,地元行政,地域住民で連携しながら,手取川ダムカレーの開発に10か月かけて取り組んできました.
開発までの経緯(図作成:共同開発者 土屋香奈)
そのお披露目式「手取川ダムカレー竣工式」が1月16日(日)に行われました.コンセプトは「日本最大級のダムの日本一小さな竣工式」です.
竣工式当日は,佐々木紀衆議院議員(元国土交通大臣政務官),宮本周司参議院議員(財務大臣政務官),山田白山市長(代理:横川副市長)はじめ,国土交通省,環境省,林野庁,観光協会などの関係者が一堂に会し,行われました.
坂本特任助教から手取川ダムカレー開発の経緯と水源地域振興への可能性が説明された後,
ご祝辞,祝電をご披露後,ダム竣工時と同様にテープカット式も行われ,みんなで完成を祝いました.
その後,みなさんに試食をいただき,意見交換を行いました.
カレーは,日本最大級の手取川ダムに見立てて,ボリューム感があり,各所にこだわりもちりばめられています.
【霊峰白山】→白峰特産/堅豆腐
【桑島化石壁】→厚切りベーコン
【恐竜の足跡化石】→白峰特産/堅豆腐おからハンバーグ
【ダム湖のグリーン】→ほうれん草入りルー
【ロックフィルダム堤体】→カレー粉をまぶしたライス(白山麓 鳥越産)
【湖面カヌー】→白峰特産/油揚げ
【周辺の風景】 →ダムカレー皿に描いている
【ダム下流の木々や流路】 →四季折々の野菜
【建設】→特製スコップスプーン
手取川ダムと印字されたスコップスプーンで食べられ,土木感を味わうこともできます.また,地元白山焼きでつくられたカレー皿は,地域に関係する恐竜や雪だるまの絵のほか,食べ終わった後には,昔の桑島集落の地図がカレー皿の底から現れ,当時の集落の人達に感謝の想いを馳せることができます.また,食後には,ダムカレーカードが一枚もらえます.
手取川ダムカレーこだわり解説(図作成:共同開発者 土屋香奈)
これらの企画はすべて住民参加型建設により,つくられ,北陸サテライトは,観光開発のコーディネート役を担いました.水源地域振興をキーワードにこれからも様々な振興策を地域と一緒に考えていきたいと思います.
住民参加型建設の流れ(図作成:共同開発者 土屋香奈)
<竣工式後のダムカレー効果!?>
竣工式後,多くのメディアがダムカレーを報じて下さいました.それが広がり,翌日から全国各地からダムマニアやカレー愛好家,ニュースを見た観光客などが多くお越しになっています.
【北國新聞】https://www.hokkoku.co.jp/articles/tym/963090
【中日新聞】https://www.chunichi.co.jp/article/618315
【読売新聞】https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230116-OYT1T50218/
また,カレーというコンテンツがSNS発信とも親和性があり,観光客それぞれのSNSでさらなる広がりをみせています.
これまで冬の本地域は観光コンテンツに乏しく夏に比べると来訪が少ないことに悩まされてきました.天候に関係なく各地からダムカレーを求めて観光に来られるのは,一つの観光開発の可能性を示しています.
現在アンケートを実施中で,来訪行動についても分析し,中山間地域の振興策としての効果を考察できればと思います.
※本事業は,令和4年度観光地ブランド化推進補助金の助成を受けて実施しています.
手取川ダムカレー公式情報発信(Instagram)はこちらhttps://www.instagram.com/p/CntyJZOpYc7/