機構長あいさつ

機関長 松原宏

ここ数年、コースのガイダンスには、部屋いっぱいに学生の皆さんが集まってきます。大都市よりも田舎、しかも中山間地域や離島に身を置いて、行動してみたい、という人が増えているように感じます。これまでも東京大学では、研究所や研究者個人が、さまざまな地域に関わってきました。けれども、統合したプラットフォームがないために、それらの成果が大学全体で共有されることはほとんどありませんでした。

今年の4月1日に、東京大学の正式の組織として設置された地域未来社会連携研究機構(以下、地域未来機構)では、地域の課題解決に関わる東大内の11の部局(総合文化研究科、工学系研究科、人文社会系研究科、農学生命科学研究科、経済学研究科、新領域創成科学研究科、社会科学研究所、先端科学技術研究センター、空間情報科学研究センター、未来ビジョン研究センター、生産技術研究所)が連携することで、地域の未来に関わる研究・地域連携・人材育成の3局面で、相乗効果を発揮することを目的としています。

地域未来機構は、駒場Iキャンパス10号館の4階に事務局を置き、自然環境学、地理学、都市工学、農学、経済学、社会学、空間情報学など、多様な分野の研究者によるフィールドワークの成果と、GIS(地理情報システム)によるビッグデータの解析やマッピング等を統合して、新たな「地域の知」を構築することをめざしています。

また2019年度には、RESAS(地域経済分析システム)やGISによるデータ分析、フィールドワークを重視した学部3年、4年生向けの部局横断型教育プログラムを設置する予定です。駒場と本郷で開講される科目と地域の現場での政策立案実習を修得し、地域の課題に応えるプロフェッショナル人材を育成することをめざしています。

さらに、日本国内の12の機関(国立社会保障・人口問題研究所、公益財団法人九州経済調査協会、公益財団法人中部圏社会経済研究所、公益財団法人東北活性化研究センター、公益財団法人中国地域創造研究センター、一般財団法人北陸産業活性化センター、一般財団法人日本立地センター、株式会社日本政策投資銀行、金沢工業大学地方創生研究所、三重大学地域創生戦略企画室、一般財団法人南西地域産業活性化センター、石川県白山市)が、学外の連携先となっており、共同研究や人材交流をはじめ、地方ブロック圏域の政策に関わることを通じて、グローバルだけではなくローカルでも、東京大学の存在感を示していければと考えています。

地域未来機構では、ワークショップやシンポジウムを通じて、研究室の垣根を越えて、教員そして大学院生や学部学生の活発な交流を進めていきます。地域の未来に関心のある方はぜひ、地域未来機構の活動に注目していただき、議論の輪やフィールドワークに加わっていただくことを期待しています。

地域未来社会連携研究機構 機構長
松原 宏